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Recette Furniture|暮らしはじまる
Recetteでリノベーションをされたお客さまのご自宅へ、ダイニングテーブルと椅子を納品。住まいを引き渡したときに、「ダイニングテーブルも買い替えたい」と相談していただいたことから、今回の家具選びが始まった。
椅子は、お客さまのなかですでに候補が決まっていた。以前宿泊した施設で実際に座り、そのときから気になっていたという飛騨産業の椅子。そこで今回は、その椅子を起点に、どんなテーブルを合わせるのか、椅子の色をどうするのか、四人で心地よく使うには、どれくらいの大きさがよいのか。一つずつ、空間とのバランスを考えていった。
ご提案したテーブルは、関家具の VOTEⅢ。ホワイトオークの無垢材を使ったダイニングテーブル。リノベーションで採用した床は、柔らかな色合いのアッシュ。そこへホワイトオークのテーブルと、同じように木の温もりを感じる飛騨産業の椅子を組み合わせた。

床、テーブル、椅子。それぞれ樹種は異なるけれど、色合いや素材の雰囲気が近く、実際に納めてみると、とても自然に馴染んだ。
このテーブルは、複数の無垢材を接ぎ合わせてつくられている。今回届いた一台には、「虎斑」と呼ばれる美しい杢が現れていた。光の当たり方によって、木目がきらきらと表情を変える。形はシンプルでも、無垢材らしい存在感がきちんとある。

テーブルの大きさについては、少し悩んだ。選ばれた椅子はセミアームタイプで、一般的なダイニングチェアより少し幅がある。椅子に合わせてテーブルを大きくしすぎると、今度はダイニングまわりの通路が狭くなってしまう。そこで今回は、幅1650mmのテーブルを提案した。四人でゆったり食卓を囲める広さを確保しながら、周囲を歩くための動線も残す。
家具の大きさは、部屋に「置けるかどうか」だけでは決められない。置いたあと、椅子を引けるのか。人が無理なく通れるのか。日々の暮らしを想像しながら選ぶことが大切になる。
椅子も、弊社がご手配。この椅子の実物を見るのは今回が初めてだったが、座らせていただくと、驚くほど心地よかった。身体に沿うように削られた座面。背中を受け止める木部は、一本の木を曲げてつくられている。角のない滑らかな形で、手で触れたときの感触までやさしい。お客さまが以前から気になっていた理由が、座ってみてよくわかった。

インテリアに、一つだけの正解はない。今回は床に近い色合いのホワイトオークを選び、穏やかで統一感のある空間に整えた。けれど、ここに濃い茶色のテーブルを置けば、また違った落ち着きが生まれる。黒いテーブルを選び、空間全体を引き締める方法もある。
どれが正しく、どれが間違いということではない。大切なのは、その人がどんな雰囲気を心地よいと感じ、どのように暮らしたいかということ。私たちができるのは、
この色なら、床や建具に自然に馴染む。
この大きさなら、必要な動線を確保できる。
こちらを選べば、空間が少し引き締まって見える。
そうした判断の材料を、できるだけわかりやすく伝えることだと思う。そのうえで、最後に選ぶのはお客さま。選んだ家具を気に入り、毎日心地よく使っていただけることが、いちばんの正解となる。
家具が入ったことで、リノベーションを終えた室内が、少しずつそのご家族の暮らしへ変わっていくように感じた。住まいは、工事が終われば完成するわけではない。家具や照明が入り、そこに人が座り、食事をし、会話を重ねながら、ゆっくりと暮らしの場所になっていく。
今回は、先に決まっていた椅子からテーブルを選び、実際の部屋を見ながら、色や大きさを整えていった。そんなふうに、リノベーションのあとも家具や暮らしについて一緒に考えていけたらと思う。
