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現場review|造作Ⅱ型キッチン

今回の造作キッチンでは、シンクとコンロを別々のカウンターへ分け、向かい合わせに配置するⅡ型を採用した。Ⅱ型には、シンクとコンロの間を行き来するときに水滴が床へ落ちやすいことや、調理中に振り返る動作が増えるといった注意点がある。

その一方で、「シンク+作業スペース」「コンロ+作業スペース」という二つの調理場所を確保できる。二人でキッチンに立っても、それぞれの作業場所を使えるため、動線が重なりにくい。

Ⅰ型で同じ長さの作業面を確保しようとすると、かなり広い間口が必要になる。Ⅱ型なら二つのカウンターへ分けることで、限られた空間にも必要な作業スペースを納めることができる。振り返る動作についても、今回は大きな負担にはならないと判断した。

横方向へ何歩も移動する代わりに、身体の向きを変えるだけで次の作業へ移れる。シンクとコンロの位置関係や、二つのカウンターの間隔を整えれば、移動を最小限に抑えられる。こうした使い方を一つずつ検討し、今回の暮らし方にはⅡ型が合うと判断した。

 

デザインでは、キッチンを設備として強く見せすぎず、LDKに置かれた一体の家具のように見せることを意識した。前板にはオーク材を使用。シンク側の背面収納は白でまとめ、木の面積が多くなりすぎないように調整した。

そこへ濃いグリーンのタイルを組み合わせ、空間全体のアクセントとした。オークの自然な表情を残しながら、少し落ち着きのある印象に仕上がった。

 

もう一つ検討したのが、シンク側の背面収納。すべてを木の扉にすると、収納全体が重たく見える可能性があったため、一部の前板にラタンを採用した。ラタンの編み目によって適度な抜けが生まれ、収納のボリュームを少し軽やかに見せることができた。

この場所には書類を収納したいという要望もあった。何を収納するのかを確認しながら、使い方と全体の見え方を同時に整えていった。

今回の計画を振り返ると、Ⅱ型キッチンは単に作業面を増やすためのレイアウトではなかった。二人で使うときの動線、カウンター同士の距離、収納するもの、LDKからの見え方。それぞれを関連づけて考えることで、Ⅱ型のよさを引き出せた。

一方で、通路幅やシンクからの水滴、振り返る動作など、住まい方によって評価が変わる部分もある。Ⅱ型を前提にするのではなく、使う人と空間の条件を確認したうえで判断すること。今回の設計から、あらためて再認識したポイントとなった。

 

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