知ってトクする豆知識
中古住宅リノベーションの
知ってトクする豆知識
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木材には「表」と「裏」がある
タイトルの通り、木材には「表」と「裏」があります。
丸太をカットして木材にするところを思い浮かべてください。この時、樹皮側が表で中心側が裏になります。丸太は、外側に向かって丸く伸びていますが、これをカットすると収縮して逆方向に反りが生じます。板状の木材で考えると、表のほうが反るということですね。
このように、木が伸び縮みするのは特性であり、自然な現象です。昔の大工さんや家具屋さんはこうした木の特性をよく知っていて、木をどこにどう使うかを工夫していました。例えば敷居。踏まれることが多いので、山なりになる面が上にくるように、表面を下にして使っていました。
使う場所や使い方、また季節などによっても伸び縮みの度合いが変わります。変形が大きくなると建具が閉まりにくくなったり床に隙間ができたりするので、昔はよく、一年間様子を見てから、変形が一番大きい時に合わせて再調整を行っていました。といっても、1ミリほどヤスリで削るくらいです。でもそれだけで建具がスーッと動くようになるのです。
最近は、薄くスライスした木を重ねた「合板」や小さくカットした木を固めた「集成材」を使うことが増えています。もとの木が薄い、もしくは小さいので、個々に現れる特性も小さくなり、狂いが生じにくくなるためです。
でも、使っているうちに変形が生じるのは木材では自然なこと。無垢のフローリングや家具、建具などを使うときはぜひ、木には裏表があり、その特性によって伸縮するということを覚えていてくださいね。