以前、ドアの「左勝手・右勝手」についてお話しましたが、リノベーションをする上で左右に気をつけなければいけないのはドアだけではありません。まずはキッチン。コンロが右でシンクが左か、シンクが右でコンロが左か、どちらが使いやすいでしょうか。どちらであっても機能的には問題ありませんが、生活をする中で自然と癖づいている部分です。いつも使っているキッチンと同じなら使いやすいけれど、逆だと最初は違和感を感じるかもしれません。

また、設計段階ではなかなか気が回らないのがトイレと浴室。トイレットペーパーの位置や、浴槽と洗い場の位置も左右どちらにあるかで使いやすさが変わります。

もう一つ注意したいのが、冷蔵庫や電子レンジの扉。両開きや上下開きなら問題ありませんが、右でも左でも、手前にしか開かないと扉を開けたときにのけぞることになってしまいます。また、ドラム式洗濯機の扉にも要注意。手前に開くと洗濯物がとても取り出しにくいです。狭い場所だとなおさらですね。

左右の使いやすさは個人の「慣れ」なので、設計者には分かりません。もちろん、構造上どちらかしか選べない場合もありますが、まずは住むご本人が意識をしてイメージすることが大切。キッチンやお風呂などの設備を入れ替える際は、図面を見て想像してみてくださいね。