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建物を救う仕事

ある工務店からの相談。

大規模なリフォームを計画しているものの、建ぺい率や容積率に違反している可能性があると銀行から指摘され、住宅ローンの審査が進まない。ローンを利用できる状態にするだけでなく、この機会に、法令に適合していないと思われる建物を是正したい。どうにかできないだろうか。

そんな依頼だった。 

 

調査を進めると、確かに現況の建ぺい率と容積率は、現在確認できる基準を超えていた。さらに、建築計画概要書などの記録が残っておらず、許可を得ないまま増築された可能性も否定できない。登記簿に記載された床面積と、現在の建物の面積も一致していなかった。

建築当時の事情を知るお施主さまの祖父も、すでに他界している。何が、いつ、どのような経緯でつくられたのか。それを証明する資料も、説明できる人もいない状態。

今回のような大規模な改修には、建築確認申請が必要となる。しかし、既存建物が法令上認められる面積を超え、過去に無許可で増築された可能性があるとなれば、話は簡単ではない。このままでは、法令に適合しない建築物として扱われるおそれがある。

いくつもの対応方法を検討したものの、違反状態の是正を伴う確認申請は、相談した民間の指定確認検査機関では受け付けてもらえなかった。申請は難航した。

そこで、京都市との協議を重ねることにした。建物の履歴と現況を整理し、どのような方法なら法令に適合させ、改修工事を進められるのか。何度も説明と検討を繰り返し、最終的にたどり着いた方針が、

「減築を行い、大規模の模様替えとして建築確認申請を行う」

という方法だった。

必要な資料を一つずつ集め、過去の記録を調査し、現況を整理する。その内容をもとに図面と申請書類を作成し、行政へ説明を重ねた。

そして無事に建築確認が下り、確認済証の交付を受けることができた。お客さまはもちろん、依頼元の工務店にも大変喜んでいただいた。住宅ローンの問題だけではない。建築確認が下りなければ、計画していた改修工事そのものを進められなかった可能性もあった。

相談を受けてから確認済証の交付まで、約1か月半。決して簡単な案件ではなかった。それでも最後まで信頼し、任せてくださったお客さまと工務店には、心から感謝。

このままでは使い続けることが難しく、放置されていたかもしれない一軒の古い家。行政との協議と確認を経て、安心して改修し、住み継げる建物への道筋が整った。

代々受け継がれてきた大切な住まい。そして、お客さま自身が生まれ育った家でもある。これからも、この場所で安心して暮らし続けられますように。

 

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