News
あなたの知らない違法建築、違反建築 -03-
「知らない間にこの建物が違法状態に!」そんな事例をご紹介します。
今回のお話しは、使われていないある事務所を小規模の保育園にしよう、という計画の中で出てきた違法建築ストーリーです。
保育園として建物を再利用するときは、その用途に合うようにリノベーションをする、だけで終わりではありません。元々違う用途で使用されていた(その建物の新築時に、例えば「事務所」として申請されていた)場合、用途変更手続きという建築確認申請を地域の行政庁に届けなければなりません。それに加えて、福祉関係の窓口にも申請して、許可をもらう必要があります。
さて、今回のリノベーションにあたって、必要な要件などについて行政に確認をしました。するとその条件とは、
・建物の新築時に完了検査を受けていること
・受けていない場合はそれに相当する検査を受けること
・現在の耐震基準を満たすこと(もちろん耐震調査も)
大まかにはこういう条件でした。そこで建物の状況や残っている書類や図面を確認しますと…さあ大変。案の定と言いますか、完了検査を受けていません!!
「え!?それって違反なんですか?建築確認ありますよ?」
とオーナーさんから言われたのですが、まあそう思っちゃいますよね。建築確認を受けていても、それは「建築していいですよ」という許可であって、
できてから検査に来てもらい「建築確認の申請と同じものが建ってますね」という検査をしてもらう、ここまででワンパッケージ、ハイ建物使っていいですよ、ということなのです。
つまり、検査を受けていない=違法 なのです。
さあ困ったぞー。何やらいっぱいしないといけないことがある予感。
続きは次回以降に。