扉は、開いたり閉じたりスライドしたりと、建築物の中でも唯一動くものです。他のものは固定されているので図面を見れば頭の中で想像できますが、動きは図面では見えないので注意が必要。実際に動かしてみて初めて分かることもあるのです。

たとえば、キッチンのコンロの引き出しを開けると勝手口のドアの枠にガツンと当たったり、洗面台の吊り戸を開けると天井の照明器具に当たったり。使うたびに当たっていては、不便だしストレスになりますよね。

事前に予想できるところは、設計の段階で建築士が調整します。ただ、施工した後に施主さんご自身でなにかを取り付ける場合もあると思います。たとえば、吊り戸の近くにエアコンを設置したり、ドアの横にDIYで収納棚を取り付けたり。扉の位置を意識せずに取り付けると、開閉に干渉してしまうかもしれません。

取り付ける際に扉の動きを確かめておくことも大切ですが、もし取り付けることが事前に決まっているなら、建築士やデザイナーに伝えてあらかじめ扉と干渉しないか相談することをおすすめします。 せっかくのリノベーションですから、ぜひ不便なく暮らせる住まいをつくってくださいね。