中古住宅リノベーション
設計の手帖
vol.
行き止まりをなくす
住まいの中に、行き止まりをつくらず、部屋から部屋へ、ひとつの経路だけでなく、複数の方向から行き来できるようにすることを「回遊動線」という。
行き止まりがなくなることで、移動の距離が短くなったり、家事がしやすくなったりする。また、限られた広さでも、空間につながりや開放感を生み出すことができる。

01|家事をつなぐ回遊動線
リビング・ダイニング、キッチン、洗面などの水まわりが分断されていたマンション。キッチンを少しダイニング側へ移動し、廊下からキッチンの側面へ出入りできるようにした。
キッチンから洗濯機、洗面へと進み、再び廊下へ戻ることができる。ダイニングは少し狭くなったものの、家事のしやすさは大きく向上した。

02|空間の広がりをつくる回遊動線
限られた面積の住まい。
キッチンとダイニングを一方向に並べるのではなく、キッチンを空間の中央に配置した。キッチンを中心に、玄関から1階の空間をぐるりと回れる構成とすることで、コンパクトながらも広がりを感じられる間取りになった。

03|使い方に自由を生む回遊動線
独立したキッチンを、ダイニング側と廊下側の両方から出入りできるように計画した。
来客時など、ダイニング側を通りにくいときにも、廊下側からキッチンへアクセスできる。独立した空間の落ち着きを保ちながら、使い勝手を高める工夫。
回遊動線は、どんな住まいにも必要なものではない。通路が増えることで、収納や家具を置くための壁が減ることもある。
大切なのは、ただ行き止まりをなくすことではなく、そこでどのように暮らし、どのように動くのかを考えること。少しの配置の違いが、日々の暮らしやすさを大きく変えることがある。
